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石川町駅前にたたずむ昭和感満載の「純喫茶モデル」に行ってみた

近年、若い人の間で純喫茶がブームになっています。
純喫茶とはお酒の提供がなく、純粋にコーヒーを楽しむための喫茶店のこと。

1980年代くらいまでは街のどこかしこにあった純喫茶でしたが、時代とともに減少していきました。
しかし、外観や内装、メニューなど、現代にはない個性が見られることや空前のレトロブームも伴って、今では人気が高まっているようです。

JR石川町駅前にある「純喫茶モデル」は、1974年にオープンした昔ながらの純喫茶です。
店内ではレトロな雰囲気を十二分に満喫できるそうですよ。

今回は「純喫茶モデル」に伺い、「ナポリタンスパゲティ」と「メロンフロート」をいただいてきたので、レポートしていきます。

目次

昭和レトロな非日常的な空間

JR石川町駅北口の横浜山手中華学校側に出てすぐ右側、房州ビルの1階に「純喫茶モデル」はあります。
建物自体も武骨な石造り。

アーチ型の建物入り口をくぐり、5段ほどの階段を昇って店内に入ると、昭和の時代にタイムスリップした感覚に陥ります。

レンガに囲まれたボックス席に真っ黄色のソファー。レースのカーテン。とんがり帽子型の照明。ステンレスの天井。

そして数字がアナログ表示の鉄製レジ。
いずれも個性的で、モダンなデザインでありながら温かみを感じさせる内装です。

映画や雑誌の撮影のロケ地としても重宝されているそうで、非日常的な空間を体験できます。
窓からは柔らかい日差しが差し込みます。暗めの明かりで落ち着いた雰囲気に包まれて、時間を忘れて、ほっこりとしましょう。

3姉弟で母のお店を引き継ぐ「純喫茶モデル」

今回は、「純喫茶モデル」の大野みどりさんにお話を伺いました。お店は大野さんのほか轟洋子さん、白井たくさんの3姉弟で経営されています。
(写真左から白井たくさん、轟洋子さん、大野みどりさん)

「純喫茶モデル」がこの地にオープンしたのは1974年ですが、その前にも戸部で同店を7年ほど営業していたそうで、創業から数えると50年以上の老舗となります。

どっかりとソファーに座る大野さんは
「元々は母親(白井雪江さん)が喫茶店をやってたの。田舎から出てきて、内職をやるのは大変だな、喫茶店はきれいなお仕事だなと思ってやったみたいよ。そのときはただ(コーヒーを)出してればいいと思ったみたい。昔は純喫茶ばっかしだったじゃない。しばらくしてから、親戚がこのビルを建てるということでここに入ったの」とざっくばらんに同店オープンまでの経緯を語ります。
その後雪江さんが亡くなり、3姉弟が店を引き継ぎました。
「(私たちは)前々からお店を手伝っていたの。母親が亡くなったんでやめようかという話になったんだけど、だらだらとやっちゃったという感じだからね」と大野さん。

続けて、「一度やめようかと思ってたけど、(お客さんから)『やめないでくれ』と言われたの。身内だけでやってるから続いてるんじゃないの? ここまできたらもう頑張ろうかと思っている」と大野さんは朗らかな笑顔で話してくれました。

店名の由来はファッションモデルの“モデル”。大野さんは
「母親が若いときに洋裁学校をやっていたの。お洋服を作るでしょ。発表会なんかでしゃなりしゃなり歩くわけよ。それでファッションモデルさんに憧れたの。でもママさん、もう年だしなれるわけないし、そんなにやりたかったなら名前を付けろってことでそうなったみたい」と説明してくれました。

また、大野さんは「昔のまんまでやってるからこだわりはないです。今風にしてないでしょ。ここは昭和でいいって言われたから、昭和のままでやってるのよ。なまじ変えちゃうとちぐはぐになっちゃうから昭和で売ってるの。だって皆、珍しいっていうから。内装も全然変わってないし、メニューも変わってない。(アピールするポイントとしては)きどってないところかね。スナックっぽいところはあるかもね」と自身のお店を評していました。

「純喫茶モデル」のラインナップ

ドリンクはコーヒー、紅茶、コーラ、ソーダ、フロートなど多種多彩なソフトドリンクを用意。
フードはトーストやサンドイッチ、ピラフにオムライス。デザートにはケーキやパフェをそろえます。

純喫茶らしいラインナップです。つい最近、各メニュー50円ほど値上げをしましたが、それまで過去30年間値上げはしなかったそうです。
それでも比較的安価で楽しむことができます。

そして今回は「ナポリタンスパゲティ」と「メロンフロート」をいただきました。

懐かしくて優しい味わいの「ナポリタンスパゲティ」

麺はやや太めですが、スルスルと口の中に入っていきます。具はトマトとピーマンとナス。
ほどよい酸味と甘みが舌を包み込みます。

優しい味わいでクセがありません。これぞ昔ながらのナポリタンです。
どこかで食べたことがあるような気がしますが、食べたことはない。そんな懐かしい香りのする一皿でした。

ガツンとした甘みと炭酸を味わえる「メロンフロート」

「ナポリタン」とともに純喫茶の王道メニュー「メロンフロート」。
目に優しい淡い緑色のソーダの上に真っ白なバニラアイスが乗っています。

濃厚な甘みと炭酸がガツンと喉を通っていきます。
こちらも懐かしい味わいで、「ナポリタン」とよく合いますね。

オリジナルのコースターは女性の横顔が描かれています。古そうで新しい。スタイリッシュなデザインです。希望すれば無料でプレゼントしてくれます。

「純喫茶モデル」の店舗情報

今回ご紹介したのは、石川町にある「純喫茶モデル」。

店内を見渡してみると、壁に絵が掛けられており、カウンターには小物が売られています。
絵はマスターの白井さんが描いたもので、小物は大野さんの手作りなのだそうです。

そこはかとなく家族の温かみみたいなものを感じられるお店で素敵ですよね。
もし、石川町や元町、中華街周辺に伺う機会がありましたら「純喫茶モデル」に一度寄ってみてはいかがでしょうか。

店舗名純喫茶モデル
住所神奈川県横浜市中区吉浜町1-7
房州ビル1F
TEL045-681-3636
営業時間10:30~15:00
定休日水曜日
URL食べログ

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