JR桜木町駅はまるで無料歴史博物館。鉄道歴史展示ギャラリー・駅構内で体験しよう!

みなとみらい21地区や野毛エリアをつなぐ玄関口、JR桜木町駅。
「駅に降り立ってもまっすぐ目的の観光スポットへ移動してしまう」なんて方も多そうですが、実は駅自体がひとつの観光名所ともいえるほど歴史展示が充実しているんです。

改札内外に渡って展示されているので、今回は駅のホームから改札外に向かって紹介していきます。

目次

JR桜木町駅は、かつて横浜駅だった。

まずはJR桜木町駅歴史展示をより楽しむための事前情報。

今では「桜木町」という名前は横浜外の人にも浸透していますが、日本で初めて鉄道が開通した1872年当時、桜木町駅は初代「横浜駅」として開業した駅。そのため、「桜木町駅」と「横浜駅」は関連が深く、場所の移動や名称変更などの変遷を経て、3代の駅舎が存在しています。

JR桜木町駅ホームから改札への通路に描かれた歴史壁画

まずは電車からJR桜木町駅ホームに。改札に向かう階段には桜木町駅の歴史写真が描かれています。

1904年頃 桜木町(初代横浜)駅周辺写真

1904年頃の桜木町駅(当時は横浜駅)前の様子。人の往来も多く、開業して間もない頃から横浜駅は賑やかだったことがわかりますね。

1923年頃 桜木町駅周辺写真

1923年頃の桜木町駅前の様子。今も横浜の街を走る人力車が映ってます。

1950年頃 桜木町駅周辺写真

1950年頃の桜木町駅前の様子。バスや車なども写真に写りはじめ、交通手段全般が充実してきていることが分かりますね。駅周辺も整地されて「駅っぽい雰囲気」になってきました。

1971年頃 桜木町駅周辺写真

1971年頃の桜木町駅前の様子。手前に写った道路の様子もすでに現代と変わらない印象です。

2009年頃 桜木町駅周辺写真

2009年の桜木町駅前の様子。なじみのある外観ですね。

JR桜木町駅改札階に降りてすぐに掲載された「横浜の交通と桜木町駅の歴史」

階段脇の壁画を見ながら改札階へおりると「横浜の交通と桜木町駅の歴史」が掲載されています。

開業当時からの「“横浜駅”と“桜木町駅”」について、国鉄時代から現在のJR京浜東北線になるまでの歴史が感じられます。

JR桜木町駅改札内に掲げられた、横浜の歴史的な鉄道・建築物の歴史。

そしてJR桜木町駅改札階で注目なのは、1872年当時から横浜の鉄道や建築物にまつわる歴史のイラスト展示。イラストだけではなく、歴史を記した看板も展示されています。

開業当初は今の桜木町が横浜駅とされていたことや、貿易の玄関口として機能しながら、3代に渡る駅舎の変遷が紹介されています。

改札階に掲載された横浜の歴史的建造物のイラストについての説明が掲載されています。イラストはアーティストの島口暉生さんが描かれているそう。

1872年―1923年 桜木町(初代横浜)駅舎イラスト

初代桜木町駅(当時は横浜駅)の駅舎。文明開化の香りが漂うデザインで、今よりこじんまりした建物だったんですね。

1915年―1930年 高島駅舎 イラスト

レンガ調の西洋デザインを取り入れた高島駅舎は、現代にも残る横浜赤レンガ倉庫と似た雰囲気がオシャレです。しかし、残念ながら関東大震災により被災したためわずか8年でその役目を終えています。

1928年―1980年 横浜駅舎 イラスト

そしてこちらが今に続く横浜駅舎。桜木町駅や高島駅よりも装飾はシンプルな分、サイズアップしているように見えます。

横浜三塔 (キング・クイーン・ジャック) のイラストも

同じく改札内の空間にあるエレベーター横には、横浜の歴史的な建築物として有名な横浜三塔のイラストも掲載されています。

こうして見比べてみると、横浜の駅や建造物はレンガ調で西洋風のものが多く、似た雰囲気だったんですね。こんな部分が港町ならではなのかも。

現在駅舎は近代的なデザインが多くなりましたが、横浜赤レンガ倉庫を代表に、レンガ調の建造物が残っていること自体がすごいことだと感じました。

ちなみに横浜三塔の紹介記事はこちら

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横浜ステーション蒸気入車之図 並 海岸洋船燈明台を眺望す 横浜商館 並二 弁天橋図

こちらは南口改札にある浮世絵です。 横浜駅が誕生した1872年(明治5年)の2年後に絵師の歌川国鶴によって描かれたんだとか。

JR桜木町駅改札前の柱すべて鉄道関連の歴史展示スペースに

南改札口を出たところ、なんと柱一つ一つが桜木町駅や鉄道にまつわる資料展示スペースになっているんです。

追憶の野毛・桜木町駅

明治から大正、昭和まで、桜木町周辺の写真が展示されています。夕焼けのような演出も相まって、とてもノスタルジックな雰囲気ですね。

桜木町にやってきた鉄道車両

この展示では鉄道模型がたくさん並べられています。
国鉄時代の電車や蒸気機関車、JRに変わってからの車両、昔の桜木町へ乗り入れていた東急東横線の車両など、昔懐かしい車両から今の時代の身近な車両までたくさん飾られていて面白いですね。

歴史とともに変わってきた路線の変化も紹介されているので、鉄道ファンの方は必見です。

懐かしの鉄道コレクション

明治・昭和時代に使われていたベルや切符を切る道具、乗務員さんの制服など、映画で見たようなグッズの展示。見た目にもにぎやかな展示なのでお子さんも喜びそう。

明治の横浜・鉄道路線案内

明治時代・開業当時の鉄道路線についての案内です。
浮世絵展示が画面スクリーンに表示され、数秒ごとに桜木町駅にまつわる様々な絵に変わっていくのでついつい長居してしまいそう。この映像で桜木町駅周辺にたくさんの跡地が今も現存していることもわかります。

初代横浜駅と発着場の情景

初代横浜駅が開業した当時の様子が、写真や浮世絵、漫画など、多くのものに残されていて、当時の人々から桜木町駅が注目されていたことが分かります。

幕末~明治 鉄道事始め

こちらの展示では幕末~明治時代、鉄道事業が始まった頃の様子が飾られていて、歴史的な書物や鉄道計画から工事までの経緯も知ることができます。
今に残る桜木町駅のスタートだと思うと、感慨深いものがありますね。

鉄道開業!式典列車の乗客たち

明治5年10月14日に横浜~新橋間を正式開業した際に走った記念式典の列車の模型です。海外からの国賓や明治天皇も乗車するなど、鉄道開業という大きなイベントにとても力が入っていたことが分かりますね。その記録として、今では10月14日が鉄道の日となっているんです。

みなとみらい時層マップ

みなとみらい地区の海岸線に着目した展示で、開業当時から現在に至るまでの変化を見ることができます。みなとみらい地区の移りゆく姿に圧倒されます。

みなとみらい地区の記憶

実際の車両を再現した鉄道模型や当時使用されていたレールのカットモデルや国鉄の名称プレートなどがたくさんの展示がされています。普段目にする機会の少ない鉄道工具が見れるのも興味深いです。

横浜文化に深くかかわった駅、JR桜木町

今回展示を見てまわることで、JR桜木町駅がいかに横浜文化成長の歴史に関わっているかを改めて体感できました。

駅自体がギャラリーのようになっているのでもちろん無料、待ち合わせ時間の合間に見て回っても楽しむことができるので、ちょっとした空き時間を有意義に過ごすこともできそうです。

2020年現在も桜木町は大幅リニューアルを進めている最中なので、これを機会に桜木町の歴史を振り返ってみてはいかがでしょうか。

JR桜木町駅の情報

是非、足を止めて桜木町駅を見渡してみてください。きっと新たな発見があるはずですよ。

住所 神奈川県横浜市中区桜木町1丁目
運営会社 JR東日本
所属路線 根岸線(京浜東北線、横浜線と直通)
近隣交通手段 ・ブルーライン(横浜市営地下鉄)
・市営バス(横浜市交通局)
・神奈中バス(神奈川中央交通)
・タクシー乗り場有り(東口)

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