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港の見える丘公園にある「鮨喫茶すすす」で女性職人の握る手鞠鮨を堪能

港の見える丘公園内にある神奈川県立神奈川近代文学館の1階に2023年4月、「鮨喫茶すすす」がオープンしました。芸術文化施設における従来のカフェスペースとは一線を画しており、近代文学館に合わせて作家や芸術家に着想を得たメニューも提供しています。

今回は「鮨喫茶すすす」に伺い、「岡本かの子の手鞠鮨」と「パイン大福」をいただいたので、レポートしていきます。

目次

元町・中華街駅から徒歩10分。横浜ベイブリッジを臨みながらお寿司を楽しめる「鮨喫茶すすす」

みなとみらい線元町・中華街駅から徒歩約10分。駅5番出口から谷戸坂を上っていくか、最初から港の見える丘公園の中に入ってずんずん進んでいくか、どちらかを選びます。立地としては港の見える丘公園の一番奥の方ですね。

場所は神奈川近代文学館の1階です。

店内はカウンター7席、ボックス席14席で、清潔感ある内装です。窓側は全面ガラス張りとなっており、窓側カウンターからは横浜港や横浜ベイブリッジを臨めます。絶景を眺めながら、お寿司をいただくのは贅沢ですね。都会の喧噪からはかけ離れた静かな空間で、最高のひとときを楽しめます。

ほかにはない鮨喫茶という形態

今回は、「鮨喫茶すすす」店長の草彅唯さんにお話を伺いました。

東京すしアカデミーという専門学校に通った後、東京の一流寿司店で修行をしていた草彅さん。店舗オープンの経緯を伺うと「神奈川近代文学館の1階はしばらく空き店舗となっていたそうです。そんな流れもあり、公募がありましてロケーションも素晴らしい場所なので応募してみようと思いました。」と草彅さん。こちらの店舗では神奈川近代文学館の開館時間に準拠するため、17時には営業を終えることになります。当時、育児と仕事の両立で苦労していた草彅さんは「それが子どもの保育園が終わる時間だったんです。よろしければ経営を任せてくれませんかということで、オープンに至りました」と答えてくれました。

店名は𠮷野昇雄氏著『鮓・鮨・すし―すしの事典』(旭星出版)の頭文字から取ったそうです。草彅さんは「お寿司のことは全てこの本に書かれているといっても過言ではないと思います。ここに書かれていることからヒントを得ながら、今のお寿司に落としこんでいければと思っております」「“鮨喫茶”というジャンルはほかにはない形態だと思います。おいしいお寿司も食べられますし、コーヒー1杯でも大歓迎です。育児で大変な思いをしているお母さん方も含めて、幅広くお客様のニーズに合わせてご利用いただけたらと思います」と意気込んでいました。

「鮨喫茶すすす」のラインナップ

お寿司のメニューは「岡本かの子の手鞠鮨」「ささめ雪のちらし鮨」「本マグロ箱鮨」の3種類を常時提供。草彅さんは「お魚はなるべく地物を使いたいと思っています。最近ではこはだやあなごが神奈川で捕れていますね」と話してくれました。

デザートには「パイン大福」「はちみつカステラ」「コーヒーゼリー」といずれも魅力的なメニューがそろっています。夏にはかき氷も提供する予定。ドリンクは「梶井基次郎のレモンスカッシュ」のほか、「焙じ茶」、「柚子煎茶」などの豊富な日本茶類、「コーヒー」「クラフトコーラ」「オレンジジュース」などのソフトドリンクやアルコール類も用意されています。

文学に紐付いたメニューが特徴的な同店。草彅さんは「企画展に合わせてお料理を出そうとしていたのですが、難しいんですよね。対象の作家さんが何を好きなのかとかあまり記録になくて・・・無理矢理関連付けなくていいのかな・・・」と笑顔を見せながらメニュー作りの苦労を明かしてくれました。

「鮨喫茶すすす」で女性職人の握る手鞠鮨を堪能

今回はメニューの中から「岡本かの子の手鞠鮨」と「パイン大福」をいただきました。

かわいらしい小ぶりな握り「岡本かの子の手鞠鮨」

かわいらしい小ぶりのにぎり寿司が大皿に乗ってやってきました。メニューは「岡本かの子の手鞠鮨」。

上段は左から煮穴子、ホタテ、本マス。中段は左からコハダ、マグロ大トロ、どんちっちアジ。下段には左から炙り金目鯛、玉子、なすの浅漬けというラインナップです。醤油ツボからハケを取り出し、ネタに塗っていただきます。

メニュー名は、芸術家・岡本太郎の母であり小説家でもあった岡本かの子の短編小説『鮨』から取っています。同作では食べ物に難のある子どものために、一生懸命に母親が寿司を握るシーンがあります。小説から子どもでも食べやすく設えてある手鞠鮨をイメージしたそうです。季節によってネタは変更。

(ちなみに岡本かの子は現川崎市高津区二子出身でした。)

お味噌汁はなめこが入っていて赤だし。脂の乗ったお寿司を醤油少なめでさっぱりといただき、濃厚なお味噌汁をしっかりと堪能しました。

パイナップルを優しい甘さのこしあんで包んだ「パイン大福」

大きめにカットされたパイナップルをこしあんと求肥で閉じ込めています。ジューシーなパインの酸味をこしあんの甘みで優しく包み込んでいるような味わい。暑い季節にぴったりの爽やかな口当たりを感じられる一品です。

「鮨喫茶すすす」の店舗情報

港が見える丘公園は神奈川近代文学館のほか、大佛次郎記念館、バラが名所のローズガーデンと見どころ満載の横浜でも有数の散策スポットです。展望台からは横浜港やベイブリッジを一望できます。また、近くにある洋館を巡ってみるのもいいですね。

そんな散策がてらの一休みに「鮨喫茶すすす」へ、一度寄ってみてはいかがでしょうか。

店舗名鮨喫茶すすす
住所神奈川県横浜市中区山手町110 神奈川近代文学館1階
電話番号090-1186-7884
営業時間9:30~17:00(お寿司の提供は11:00~14:00)
※月曜定休
※営業時間と定休日は神奈川近代文学館の開館時間に準拠
URLInstagram食べログ

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